適切なコンテナの選択は、効率的なプログラムの第一歩です。シミュレーションを通して、その性能特性を体感しましょう。
パフォーマンス・ラボ
実行したい操作を選んで、各コンテナがどのように振る舞うか、その違いを比較してみてください。
🚌 std::vector
🗺️ std::list
🚆 std::deque
データ構造の図解
パフォーマンスの違いは、メモリ上でのデータの配置方法から生まれます。
`vector`: 連続メモリ
全要素が隣り合って並んでいます。
`list`: 非連続ノード
要素はバラバラで、ポインタで繋がっています。
`deque`: チャンク配列
ブロック単位で管理され、ブロック内は連続しています。
使い分け早見表
迷ったら、この表で各コンテナの特性を再確認しましょう。
特性 | `std::vector` | `std::list` | `std::deque` |
---|---|---|---|
ランダムアクセス | ◎ 最速 | × 不可(低速) | ○ 高速 |
中間への挿入/削除 | × 低速 | ◎ 高速 | × 低速 |
先頭への挿入/削除 | × 低速 | ◎ 高速 | ◎ 高速 |
キャッシュ効率 | ◎ 非常に良い | × 悪い | ○ 良い |
主な用途 | 汎用的なデータ格納 | 頻繁な中間挿入/削除 | キュー、両端での操作 |
結論: 特別な理由がない限り、まずは `std::vector` を使いましょう!