NetPractice 1.0
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TCP/IP発展の歴史

1. 1970年代:TCP/IPの誕生

TCP/IPは、1970年代に米国の国防総省高等研究計画局(ARPA)のプロジェクトの一環として、ヴィントン・サーフとロバート・カーンによって基本設計がなされました。当時、様々な種類のコンピューターネットワークが乱立していましたが、それらを相互に接続し、一部の通信網に障害が発生しても全体が停止しない、堅牢なネットワークを実現することが目的でした。この「ネットワークのネットワーク(インターネットワーク)」を実現するための共通言語として、TCPとIPという2つのプロトコルが考案されました。

  • IP(インターネット・プロトコル) : パケット(データを細分化したもの)を、正しい宛先に届けるための「住所」の役割を担います。NetPracticeでは、主にこのIPアドレッシングを学びます。
  • TCP(トランスミッション・コントロール・プロトコル) : IPによって届けられるパケットの順序を管理し、データが欠けることなく確実に届いたかを確認する役割を担います。

2. 1983年:インターネットの標準プロトコルへ

1983年1月1日、ARPAが管理するコンピューターネットワーク「ARPANET」(インターネットの前身)が、それまで使っていたNCP(Network Control Program)というプロトコルを完全にTCP/IPへ移行しました。この日を境に、TCP/IPはインターネットにおける標準の通信プロトコルとしての地位を確立し、しばしば「インターネットの誕生日」とも呼ばれています。

3. 1990年代以降:世界的な普及

1990年代に入り、World Wide Web(WWW)が登場すると、インターネットは研究機関や軍事目的だけでなく、商業利用や一般家庭へと爆発的に普及しました。このインターネットの成長を支えたのが、あらゆるコンピューターやネットワーク機器が標準でサポートしていたTCP/IPでした。

4. 現代:IPv6への進化

インターネットの急拡大により、IPアドレスの数が枯渇するという問題に直面しました。NetPracticeで主に学ぶのは、約43億個のアドレスを持つ「IPv4」というバージョンですが、この問題を解決するために、天文学的な数のアドレスを割り当て可能な新しいバージョン「IPv6」が開発され、現在ではIPv4とIPv6が併用されています。

このように、NetPracticeで学ぶ技術は、半世紀近くにわたる研究開発の歴史を経て、今日のグローバルな情報社会に不可欠な基盤技術として発展してきました。